ラスタライズ

ラスタライズ

ラスタライズってなに?

Illustratorで作成したデータを入稿するした際に「ラスタライズ処理をしてください」というような指示を受けたことはありませんか?

ラスタライズ”という言葉は聞いたことがあっても、実際のところ“ラスタライズ処理”って何をすればいいの?というモヤモヤを解決したいと思ってまとめてみました。

ラスタライズ処理とは、簡単に言うと「複雑なデータを印刷ミスのないデータにすること」。印刷ミスのないデータとは?を解説するために、まずはラスタライズ処理をせずにデータを入稿した時に起こる印刷エラーを紹介します。

作成データと印刷されたデータを比較

下の図【左】作成したデータ(印刷用データ)と【右】実際に印刷されたデータ(仕上がりイメージ)を見比べてみてください。左が入稿したデータ、右が実際に印刷されて納品されたものです。

印刷用データと仕上がりイメージ

あれ?何かおかしいぞ・・・

【右】の仕上がりイメージでは、背景に配置している斜めのストライプ柄が印刷されていなかったり、髭マークの周りが白の正方形で囲われていたり、DTP DESIGNという文字の影がなかったり、半透明の白帯が抜け落ちていたりとあれこれミスが重複してしまい、随分とイメージが変わってしまいました。

実はこれが、ラスタライズ処理をせずに入稿した場合に起こりやすい印刷エラーになります。しかもこのようなデータ不備はデザイナー側の責任になります。印刷機のミスではないため再印刷などが発生した場合には、データを入稿したデザイナーのミスとして扱われますので十分に注意するようにしましょう。

▼データを確認してみる

先ほどの作成データ上で、適用されている特殊効果を確認してみます。今回のデータを例とした場合には、注意すべき効果が4つ使用されています。

  1. 文字にドロップシャドウの効果が適用されている
  2. 背景にストライプの柄が乗算で配置されている
  3. 背景が透過のpsdをリンクしている
  4. 透明効果の帯を敷いている
印刷用データのチェック項目

印刷工程において、①~④のような透明効果ドロップシャドウ透過のpsdデータの読み込み乗算効果などの適用したデータ、その他にもパスの多い複雑なデータ、重い画像を配置しているデータなどでは、印刷工程で処理エラー(表示崩れ)などが出やすくなってしまい正しく印刷できないことがあります。こういった場合に必要な作業が「ラスタライズ処理」になります。

先ほどの簡単な説明にあった、ラスタライズ処理とは、簡単に言うと「複雑なデータを印刷ミスのないデータにすること」。をもう少し掘り下げると、複雑なデータや特殊効果を使ったデータをラスタライズ(ビットマップ化=ひとつの画像にすること)で、印刷に適した状態「データの最適化」が可能になります。

それでは、実際に先ほどのデータをラスタライズ化する方法を見ていきましょう。

事前の注意事項!

ラスタライズ化する場合、「ベクターデータ」を「ビットマップデータ」に変換することになるので、後で編集できなくなります。後々の修正などを考え、ラスタライズ化する前に必ずバックアップデータを保存しておくようにしましょう。

1.ドキュメントのラスタライズ効果設定を指定

[効果]→[ドキュメントのラスタライズ効果設定]を選択。

ダイアログボックスで、解像度「高解像度(300ppi)」をプルダウンから選ぶか、「その他」右側の入力欄に「350~400」ppiの値を入力します。今回は[その他]で「350ppi」とします。ここで「スクリーン(72ppi)」を選択すると「ドロップシャドウ」や「ぼかし」などの特殊効果が、ガビガビに粗く印刷されてしまうので注意。次に背景「透明」にチェックを入れます。
※他のチェックボックスは、すべてチェックを外します。

300ppi

2.テキストはアウトライン化して画像はすべて埋め込む

テキストデータをアウトライン化する

▼アウトライン前

▼アウトライン後

画像データは埋め込む

▼埋め込み前

▼埋め込み後

これで、テキストは編集ができないパスデータに変換され、配置画像はすべて埋め込まれました。

3.ラスタライズ処理(ビットマップデータ)する

データの中で、トリムマークを除くすべてのレイヤーと要素を選択し[オブジェクト]→[ラスタライズ]を選択。

ラスタライズ化
解像度はその他(350ppi)、背景は「透明」、オプションは「アンチエイリアス:アートに最適(スーパーサンプリング)」、その他のオプションとして、「クリッピングマスクを作成」と「特色を保持」のチェックボックスからチェックを外します。

4.ラスタライズが完了

すべてのデータが1枚の画像データとなり、「リンク」に表示されます。ラスタライズを行うと、画面のなかで少し画質が粗くなってしまうように見えることがありますが、印刷の仕上がりには影響しないのでご安心ください。

5.注意点

ラスタライズ処理を行う際は、[効果]→[ラスタライズ]ではなく、[オブジェクト]→[ラスタライズ]をするようにしてください。

✖・・・[効果]→[ラスタライズ]
〇・・・[オブジェクト]→[ラスタライズ]

[効果]→[ラスタライズ]で行ってしまうとパスデータのみビットマップ化されてしまい、ドロップシャドウ効果はそのままとなってしまいます。必ず[オブジェクト]→[ラスタライズ]からラスタライズを実行しましょう。